こんにちは!横浜市磯子区の歯医者「やまざき歯科医院」の歯科医師 宮本です。
この記事では8020運動や、自分の歯をなくしてしまった場合におすすめの治療方法「インプラント治療」と、インプラント治療の一種「All on 4(オールオンフォー)」について解説していきます。
目次
■8020運動とは?
「8020運動(ハチ・マル・二イ・マル運動)」は、1989年(平成元年)に厚生労働省(当時厚生省)と日本歯科医師会が提唱した、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動のことです。名称の「80」は、提唱当時の男女合わせた日本人の平均寿命に相当するものです。あるいは人間の生涯(一生)という時間の流れを象徴した数値ともいえます。一方で「20」は80歳時点で満足に噛んで食事を楽しめるために必要だとされる歯の本数をあらわしています。人間は大体20本以上の歯が残存していれば硬いものでも満足に咀嚼できるということが科学的にも明らかになっているようですよ。
8020運動が提唱され、スタートしたばかりの頃は高齢者における達成者は10人に1人にも満たない状況でしたが、年々8020運動の達成者は増加傾向にあり、今後も増加していくことが予想されています。とはいえ高齢者の人口も同時に増え続け、達成できない高齢者の数はまだまだ多いのが現状です。年月が経っても一生おいしく食事を続けるためには元気な歯が必要で、その歯の健康を守るためには日々のお手入れが欠かせません。
■自分の歯を失くしてしまう原因は?
1位「歯周病」(37%)
2位「虫歯」(29%)
3位「破折」(18%)
4位「その他」(8%)
5位「埋伏歯」(5%)
6位「矯正」(2%)
この結果を見ていただくとわかる通り、歯周病や虫歯が主な原因となっていることがわかります。また、3位の「破折」の多くは、外傷や怪我などによるものではなく、根管治療により歯の神経をとった歯と考えられるため、虫歯に起因するものとみなすことができます。すると虫歯が占める割合は47%となり、抜歯の最大原因となるのがわかります。年齢階級別に見ても歯を失う原因における「虫歯」が占める割合はどの年齢層でも多いという結果も出ています。
■自分の歯を失ってしまっても「インプラント」なら大丈夫!
歯科治療における「インプラント」は正式にはデンタルインプラント(Dental Implants)といいます。歯を失った(抜歯した)箇所に人工歯根(インプラント体)と外科手術によって埋め込み、アバットメントを連結材として自分の歯の代わりとなる人工歯(上部構造)を取り付ける治療です。仮に虫歯になってしまっても歯根さえ残っていれば差し歯で対処ができます。インプラント治療は人工歯根をしっかり固定したうえで人工歯を取り付けるので、金具が見えることもなく、異物感もほとんどありません。チタンといわれる素材が使用されますが、骨と結合する性質を持っており、金属アレルギーのリスクも大幅に軽減されます。自費治療なので治療費は高額になりますが、その分、丈夫で長持ちしますし、自分の歯と同じように噛むこともできます。インプラント治療は、歯を失ってしまう前の生活を取り戻せる治療といえるでしょう。8020運動を達成できなかった場合でもインプラント治療をすれば機能性も審美性も自分の歯と同様のクオリティを手にできます。
■残存する歯がほとんどない場合は「All on 4(オールオンフォー)」がおすすめ
インプラント治療は先述したように、基本的には1本の歯に対して1本のインプラント体を埋め込む必要があります。しかし、多くの歯を失ってしまった場合、1本に対して1本埋め込むのは患者様の体にも費用面でも大きな負担がかかってしまいます。そんな問題を解決してくれるのが「All on 4(オールオンフォー)」といわれるインプラント治療です。
従来までのインプラントが1本の歯に対し1本のインプラント体を埋め込む必要があったのに対し、オールオンフォーは、片顎4本のインプラントを埋め込むだけで、前歯から奥歯まで一体化している人工歯を固定できます。現在入れ歯を使用していて違和感を抱えている方や、今後自分の歯を残せる可能性が少ない方、自分の歯をすべて失ってしまった方などに特におすすめです。
■まとめ
一般的なインプラント治療も、オールオンフォーもそれぞれ適用条件があります。気になる方は、詳細について歯科医院に相談してみましょう。当院でもオールオンフォー治療を実施しておりますので、ぜひ一度ご相談ください。患者様に適した方法をご提案させていただきます。